ブラックアウト

朝。



いつものように、通勤ラッシュで込み合う東西線車内。

俺は比較的人の入り込まない車両中央部で、いつものように吊り革に掴まっていた。厚めに巻いたマフラーに顎を乗せ、イヤホンから流れる松岡さんの声を聞きながら軽くまどろんでいた。



急に意識がはっきりした次の瞬間、景色が歪んだ。

頭から体温が一気に落ちていく感覚。直立していられない。息が荒れる。精一杯、吊り革を握り付け体勢を維持した。



朦朧とした状態で、とにかく必死に20分ほど握り続けた。







いやァ、ブッ倒れそうになるほどの眩暈なんて生まれて初めて経験しましたよ。というか、倒れるスペース無い満員電車&吊り革に掴まってた状態じゃなきゃ間違いなく倒れてましたねハイ。



ボクは貧血というものを経験したことが無かったんだけど、これが貧血ってヤツだったんでしょうか。何だかは分からないけど、何しろ急だったんで、かなりビビりました。



人間ってのはどんなに健康でも、やっぱ突然死とかあるもんなのかなぁと思った。突然死するほど心身共に疲れちゃいないが。



健康診断うけよ。