何度目になるかの起業論

「本当にやりたい仕事は、自分で会社を興すしかない。」
というのは前々から言っている起業する最たる動機なのですが、そう思いつつも逆に起業しかねる理由というのが

  • 営業面・経営面だとかは実作業と全く別の話で、そのノウハウが無いため。
  • 人を雇うということはその人の「幸福」の一旦を担うことになる。その責任を負いきれないため。

といった理由がボクの頭の中にあるわけなんですが、最近になって安易に起業起業と言っている人たちを見て、もう一つ出てしまったんですよね。


「起業の先に何があるのか」


好きな仕事をするため?
金持ちになるため?
社会貢献なんていう上っ面の体面のため?

三つ目はどの起業も後付けの体面で、多くは前者二つだと思います。
金持ちになるためというのは実に単純かつ合理的な理由で文句の付けようがありませんが、自分の場合は金は手段に過ぎず、手札ばかり溜め込んでも仕方ないので自分にとっては動機として強くありません。そりゃお金はあるに越したことないですが。

好きな仕事を好きなようにできるってのは魅力的で、自分の動機はこちらになる…と思っていたんですが、「好きな仕事」ってのも「好きな食べ物」と同じで、好きな仕事ばかりしていてもその「好き」は飽きちゃうと思うんですよね。そうなると、後はもう惰性。零細制作会社の多くはこんな感じじゃないでしょうか。

好きなことやりつつお金が貰えればラッキーという考えが大体だと思いますが、それは好きなことだけをやって生きながらえたいというだけで、それから「先」が見える気がしません。その先が何かってのは皆目見当つきませんが…
「社会貢献」という言葉を使うと非常に胡散臭く感じるんですが、自分の場合は「次代の育成」という話でなら結構モチベーションは上がります。次を育てなければ人に限らずその業種も育ちはしません。ジリ貧でやり続ければそのしわ寄せも下に行くわけで、そんな状況で起業したところで誰にとってもメリットはありません。

次代を育てていけば業界は発達し、携わる人々も豊かになりやすくなり、随分前にも同じこと言いましたが社員一人ひとりの消費が上がれば僅かながらもGDPの向上に貢献できるので、「ホニャララを通してナントカになり、結果として日本に貢献!」とビジネス的合理性を強調するより「一人ひとりを豊かにすることで日本に貢献!(GDP的意味で)」と言った方が個々のモチベーションは上がり易いと思います。

起業に尻込みしているボクがどうこう言っても負け犬の遠吠えですが…

追記まとめ

やはり仕事に好きずきという考えを持ち込むとおかしくなる。
「好きな仕事」ではなく「やりたい仕事」と考えればもうちょい気楽になるかな。
仕事をする根本的な動機なんて100%「糧を得るため・豊かになるため」なのだから、それをイチイチ疑問に思っていては何一つ進まない無能野郎でしかない。
やはり百年産業に携わるのが、人として最もシンプルに豊かになれるんだろなぁ。