Webデザイン脱初級者を目指す方へ

本来個人の持ち味・センスを曲げるようなことはしたくないのですが、センス以前に技術的・意識的レベルで下の子のデザインに口を挟む機会が最近多いので、ちょっとテキストとしてまとめてみる。
自分個人の主観・偏見の混ざっているもののためベストとは限りませんが、「上手く作る」と言うより「素人臭く見せない」と引き算的に心がけるだけで割と洗練されてくると思います。

安易にドロップシャドウ・エンボスを使わない

間違いなく初級者ほどやりたがり、誰もが通る道です。
ドロップシャドウやエンボスはフォトショ以外の安価なソフトでも備えている機能ですが、それらのソフトの使えない人にとっては謎技術みたいなものです。
しかし使い方さえ数分で学んでしまえば数クリックで出来る技法のため、覚えたての人は使いどころをわきまえず、すごい勢いでドロップシャドウ・エンボスのパーツを量産しがちです。

「絶対にシャドウ・エンボスを使わない」といった縛りをつけてデザインをしてみることで一皮剥けられると思います。丁寧に作ることで通常のエンボス機能より繊細な表現が出来るようになります。

読み文字を加工しない

これまた初級者はやりたがります。
キレイに見せるため読み文字を画像で作ることは頻繁にありますが、見出し程度のものならともかく、読み文字にドロップシャドウやらグローやら枠線やらは付けてはいけません。すこぶる可読性が落ちます。
また装飾が激しいと可読性以前に、絵として認識され「見る」ことはあっても「読まる」確率が低くなります。
やるとしてもレイヤースタイル一発の安易で大味なものでなく、隠し味程度にごくソフトかつ丁寧に飾るのが良いです。
(数文節からなる読ませる内容のものを「読み文字」と言っています)

変なフォントを使わない

日本語はなかなか無いですが、英字のフリーフォントは膨大に配布されています。
デザインも千差万別ですが、特殊なデザインのフォントはそれ単体で非常にアクが強く、場合によってはデザインを食いかねません。初級者は「何これスゲーッ!カッコいいから使っちゃお!」みたいなことになりがちなので気をつけましょう。
ぶっちゃけた話、そういう経緯からも変な装飾フォントは子供っぽく見えます。

かといってMSゴシックなんか絶対使わない

タブー。
アンチエイリアス切って細かい読み文字画像としてならアリではあります。
デザインにマジメに取り組むなら先行投資の意味合いでも何かしらのフォントパックを買うことを薦めます。

ニィス 丸徳フォントパック 日本語100書体 Windows対応 TrueType日本語書体

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自分が昔買ったものとは違いますが、コレとか入門用としては充分かつお手軽に思えます。

アナログなデザインを取り入れてみる

デジタル操作による制作だとデザインも画一的になりがちです。
デザインの方向性にもよりますが、イラレのブラシ機能でフリーハンドな線を作りデザインに取り込むと一味変わります。

黄金比を意識してみる

黄金比は1:1.618です。1:1.62でもいいので暗記を推奨します。
Wikipedia:黄金比
デザインとはアートと異なり「顧客」あってのものです。となると、デザインには「説明の義務」が発生します。お客さんを納得させないとデザインは通りませんからね。
その説得時に「黄金比を導入している」という事実は隠し味的に効果があったりします。とは言ってもデザインってのは「お客様の目的」に則した内容が最重要なので、黄金比だけを前面に押さず、あくまでワイルドカードとして含ませると良いカンジです。
「ココの幅はどういう意図なの?」と聞かれた時に
「Exactry(黄金比でございます)」とか言えば
『こいつ…「デキる」ぞッ!』(ゴゴゴゴゴゴゴ)
とかいう展開にハッタリかませたりします。
黄金比は無意識下に美観を印象付けるものであってデザイン的に向上も望めるので、意識しておいて損はありません。
黄金の精神、黄金の回転を会得してスタンド(立ち向かう者)を目覚めさせろッ!

配色に気を配ろう

何当たり前のこと言ってるんだって感じですが、自分自身のセンスだけに頼っていると2通りの落とし穴があります。

  • レビュー相手の色彩感覚がおかしく「自分のセンス」で納得されない
  • お、おかしかったのは…オレの色彩感覚だったァー!

といった感じです。
色彩の知識に関する本は沢山あり、またAdobeの提供する「kuler」といった配色ツールもあるので、感覚だけに頼らず既存の知識や権威には素直にすがった方が楽です。
色彩検定を取っておくのも箔付けにはいいと思います。





上記の内容をあまり意識しすぎてもデザインの幅を狭めて、小さく収まったデザインしか出来なくなってしまうので、その辺りは各々の感覚でバランスを取ってみれば良いと思います。ハイ。
以上、中級者の小言でした(・∀・)